そらの担当者が不在でも困らないよう、スタッフ全員が彼女とショーに出る練習を重ねる。初めのうちはスムーズにいくのに、なぜか、慣れた頃にまったく言うことを聞いてくれない時期が来る。新しいメンバーが必ず通る関門だ。一緒に遊ぶようなつもりで合図をするとうまくいくのだが、どうしても「しっかりコントロールしなければ」という気持ちが先走る。次の動物の出番までに舞台袖に戻さなければ他の動物に影響するので、思い通りに動いてくれないと苛立ってしまうこともある。しかし、焦れば焦るほど潜ったまま出てこなくなる。そんな時、別の飼育スタッフが「じゃあ、まぁ、帰ろうか」とフラットな状態で指示を出すと、スーッと戻ってくれる。