飼育レポート
生きものたちの冬支度
寒くなると水槽の生きものたちも冬支度を始めます。今回は、生きものたちの冬支度について、少し専門的なお話をしましょう。私たち哺乳類や鳥類は、一年中体温がほぼ一定で変化しない「恒温動物」と呼ばれています。一方それ以外の生きものたちは「変温動物」と呼ばれ、水温や気温などの温度によって体温が変化します。これは、厳しい自然界で生き抜くために獲得したひとつの知恵です。しかし、体温が極端に下がると活動できなくなり、冬支度つまり冬眠に入るのです。水族館の生きものでは、魚たちやカメたちがこの「変温動物」にあたります。自然界では水温や気温が下がり寒くなると、魚たちは水温の暖かいところに移動したり、水底付近でじっと冬を越し、カメたちは水中の落ち葉や土の中で冬眠しじっと春を待つのです。シーズーの展示水槽「円山川下流の生きもの」のカメたちも、そろそろ冬支度です。冬は展示水槽の陸上でじっとしているので、よく探してみて下さいね。冬眠が彼らの知恵とはいえ、寒そうで眠そうなカメたちを見ると、コートでも着させてあげたくなってしまいますね。【竹田】